地上を旅する 詩と思想

ダニエル社
                       【2014年11月】 

           
*森山 恵詩集『岬ミサ曲』(思潮社)
詩集のタイトルに呼ばれる様に本を開き、言葉の舟に乗る
端正な言葉の舟と、それが浮かび漂う世界のアンバランスが際立つ。
いくつもの詩篇に現れる躍る様なフレーズは奇を衒ったものではなく、
文体として素直に印された心、謂わば肉化した言葉が吐く息・動作と言ったものだ。
言葉は心象を乗り越えたところから書かれているので、
描くということから解き放たれ、
タイトルから出発して言葉自体が変容し、
作品の中で育って行く、野性的な強さを備えている。
畢竟暗示的なフレーズが多く、
読む人の心に詩が行き渡るのには時間が掛かる。
作者は自身が浸る世界の際から、身を挺して交わっているものを知らせている。
読むほどに納得が行く独特の味わいのある詩集。

*田川建三訳著『新約聖書訳と注(全7巻)』(作品社)
各巻に膨大な注を施した田川建三訳著『新約聖書訳と注』があと一年半ほどで完結するという。
第1回配本が2007年であるから既にかなりの年月を要する労作となっている。
新約聖書に詳細な注を施した日本語訳としてはカトリックのフランシスコ会訳があるが、
この翻訳はその比ではない。
たとえばマルコ福音書の本文は45頁であるがその注は374頁に亘っている。
著者は1997年に『書物としての新約聖書』(勁草書房)という大冊を著しているが
これはそれに次ぐ大部の書となる。
著者によれば『新約聖書概論』という新たな著作に取りかかり始めてから、
まず自ら納得の行く精確な日本語訳聖書がなければ、
「概論」で聖書本文を参照・解説する際極めて困難となるということから思い立たれたという。
ここには著者の新約学の成果が惜しみなく注ぎ込まれているので、
既に「概論」の趣も備えている。
著者には1968年の名著『原始キリスト教史の一断面』(勁草書房)を始めとして、
数多くの優れた著作が知られているが、
最近の書き下ろし評論『キリスト教思想への招待』(勁草書房)では、
独特の飾らない言葉での深い考察が巡らされている。


       響き渡る作品


  第一次終刊号  2013年 冬

    創刊号から第一次終刊号まで



  新 刊 案 内

  

    
 『蜻蛉』

あさの たか




『万華鏡』

渡辺 恵美子
  既 刊 図 書

ダニエル社では様々なジャンルの
書籍を出版しています。



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焼きつくすささげもの  眞神博
月の山  橋渉二
空き家の夢  中本道代
ガシガシガシ  高木護
インディアン・ライラック  荻悦子
昇るしるし  橋渉二
ラピスラズリの水差し  佐藤真里子
山谷堀寸描  大木重雄
イスラエル・ノート  橋渉二
愛にひきあげられて  大木重雄
修室  眞神博
黒筒の熊五郎  北野丘
姿としての言葉  眞神博


詩書展望   紹介詩書  3


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